DAICHIと僕と、夢の跡

ダイアリーからのスムーズな移行に失敗した男

死に急ぐな馬鹿者よ

5年前くらいからの親友が今日事故で死んだらしい。
なかなか親友と呼べる友人もそこまで多くはないため滅多に無い経験をしたと思う。


社会人になってからも連絡して遊んでたのはそいつ含めても5人くらいだ。


学生時代はそいつと俺ともう一人の3人で毎日ソシャゲとかやったり、放課後にラーメンを食べたり、家に泊まったりもした。

PSVRのサメに襲われるアレをやらせて怖がってるのを動画に撮って後で見せたりした。

海外研修旅行もいつもの3人で回った。
俺とそいつの2人でグアムの逆バンジーをやったりした。

社会人になってからはたまにゲーセンに行くくらいだったが、半年に1回は遊んだ。
仕事の話をしたりそんなに中身の無い話ばかりをした。

好きな子に告白してフラれたのも知ってるし、将来は格闘家になりたかったって夢も知ってる。

好きな漫画も俺と同じで、気の合うやつだった。

筋トレのために行ってた穴場のトレーニングジムもそいつに教えて貰ったし、有料駐車場しかない都会の中で唯一タダで駐車できる(ホントはよくない)秘密の駐車場もそいつに教えて貰った。


主にしょーもない冗談を言い合ってた仲だった。
俺がふざけてみると、そいつもふざけたり、ちょっと引いたりした。

そいつは本当にアホだった。
俺が知ってる中でもトップクラスのアホだ。
勉強はできないし、興味の無いことはやらないし、遅刻もするし、モラルのない事もする。

俺が叱ってもなかなか改善しないものだから、本当にどうしようもない。

でも何か憎めないやつというか、色んな人がそいつに気軽に話しかけれるような
俺とは全然違う雰囲気を持ってた。

友達も多いよな。
お前の死は俺以外の多くの人を悲しませたはずだぞ。何しとんねん。


俺が自分の中の「人間」らしい部分でぶつかっていって、同じ種の動物同士の馴れ合いというような付き合いが出来たのはそいつくらいかもしれない。
アホの前でなら俺も思う存分アホになれた。

男倶楽部とか言って、お互いの拳を殴りあって先に拳を引いたら負けとかいう、知性の欠片も無い遊びもそいつとだけやれた。

大人になって、そんなことしてくれる奴はなかなか居ないだろうな。


最後に連絡が来たのは半年前だが、最近そいつが好きそうなコンテンツを見つけると、そいつの事を思い出していた。
誕生日に何かくれると言ってたから、俺がプレゼントするとしたらこれかな、とか。
ドラゴンボール超ブロリーの感想も会ったら聞くかな、とか思ったりした。

今そいつが好きだったドラゴンボールZドッカンバトルのそいつのアカウントを見てみると、最終ログインが3日前になってる。
よく飽きんでやっとるな。本当に初期の頃からやってるから無課金ならやる事もう無いやろ。


正直なところ、担任だった人から親友が死んだという訃報を聞いた時、少し心拍数が上がって言葉の意味を何度もよく考えた後、
ちょっとした驚き以外の感情は湧いてこなかった。

昔テレビで見てた有名人の訃報を聞いた時みたいな、「えー、もう死んだんかいな」というようなあまりにもあっさりとした感覚。

人間が死ぬという事がただ当たり前の人の在り方の1つと感じるようになった事が子供の頃との大きな違いだと思う。

人は生きてたらいつかは死ぬ。
生と死の間をフラフラと彷徨って、ほんの少しの不運や衝撃で簡単に死の方にブレて二度と戻ってこない。
そんな生と死の間の不安定さが生き物の在り方だと思うようになった。
死は絶対的な悲しみと恐怖の対象ではなく、生きる事と同じようなものだと思っている。

まあ客観的に見たらの話ではある。
生きている側の人間である俺は、死の境界を踏み越える事を恐怖と思うようにできている。
生きている側から見れば、死は生とは全く正反対のものに見える。



冗談ばっかり言い合った仲だからそいつが死んだって事が何か面白いとすら思ってしまう。
アホだから何したって死ななそうなのに、24歳かそこらで事故って死ぬとかさ。
おまえ何死んでんねんwて。
ツッコミが究極すぎる。

不謹慎にも程があるが、もし葬儀に参列して、神聖な雰囲気の中棺桶の中で両手組んで安らかな顔してたら笑ってしまうかもしれん。
家族とか他の親友は耐え難いほど悲しいはずなのに。
俺は笑って最後に会ってやりたい。
もし俺が死んだとして、友人達が自分のせいで悲しんでたら絶対後悔する。
そんな中でも冗談言い合って強がり合った奴が泣いてたら、冗談では済まない。
いつもみたいに接してくれた方が嬉しかろう。


カトリックだかプロテスタントだかの宗派だから葬儀も何か日本のよくあるあれじゃないんだよな。

何着てけばいいのかも分からんし、急に明日葬儀があるって言うしでもう滅茶苦茶や。

普通事故死なら警察が遺体を預かって検死を行うんじゃないのか。
事故ってからすぐ葬儀の準備したとしても翌日に間に合うのか?

たまたま明日は有給取ってたけど、夜映画観るから行けへんなあ。

映画なんかいつでも行けるやんて感じだけど、未だに葬儀の場所も時間も何も情報ないから行けないんだよなあ。
急に死ぬ方がわるいのだ。

また来る。おまえの墓ができたらな(ヒット)



俺が急に事故で死んだとしたらTwitterの更新が1ヶ月くらい何も無くなるはずやからそこで判断して貰う他ない。
多分知り合いに連絡とかはされんはずや。
どんな付き合いがあるか家族は知らんからな。